数々の改訂が続き、メリットが低下している「楽天経済圏」。乗り換え先として「au経済圏」はどうなのか?と思う方へ、私が使用した感想をズバリ。
「au経済圏」私の結論:au経済圏には個々のサービスはキラリと光るものもあるが、楽天経済圏が依然としてオススメ
今回は「au経済圏」の個々のサービスを「楽天経済圏」と比較しながら、そのメリット・デメリットをまとめました。

▲au PAY カード vs ▲楽天カード
経済圏の中心といえばクレジットカードです。数々の改悪により、正直なところ「どちらもメインカードとしてはイマイチ」な存在になってしまいました。
楽天カードがイマイチな点「公共料金の支払い」
楽天カードは基本還元率1%のカードです。そんな楽天カードの最大なイマイチポイントは「主な公共料金支払いでは、500円につき1ポイントしか付与されない」という点です。
- 東京電力エナジーパートナー
- 東京ガス
- 東京都水道局
- 自動車税・住民税
- Amazon.co.jp (Mastercardのみ)
など多くのものが、ポイント付与率が低く設定されています。
光熱費などの固定費をクレジットカード払いに設定するのは、ポイ活の王道。主な固定費の支払いにメリットが小さい楽天カードは、「これ一枚でOK」なカードでは無くなってしまいました。
au PAYカードで公共料金の支払いを
au PAYカードは基本還元率1%のクレジットカードです。楽天カードと違い、auPAYカードは公共料金の支払いでも1%ポイント還元を受けることができます。
ならば、すべての支払いを「au PAYカード」に集約すれば良さそうなのですが、一つ注意点があります。それは「au PAYカードでは、au PAYチャージ時にポイント付与対象外」であることです。
au PAYは決済アプリとしての出来がよく、個人的に非常に愛用しています。それだけに、au PAYカードでの取り扱いに関しては「どうしてこうなった…」と思わざるを得ないところです。

さらに付け加えると「楽天カードも、au PAYチャージ時にポイント付与対象外」です。
ですので、
- 普段使いやスマホ決済(楽天ペイ) → 楽天カード
- 光熱費など固定費の支払い → au PAYカード
というように2枚とも使ってしまう方法に、私としては落ち着いています。
◎auじぶん銀行 vs 楽天銀行
「auじぶん銀行」は、au経済圏の中ではかなり頑張っている存在です。
- ⭕️ 定期預金のキャンペーン金利が高い (2021年夏は年0.20%)
- ⭕️ 振り込み手数料無料の回数が、楽天銀行より多い
- ⭕️ ATMでの入金時に、金額による手数料制限なし
- ⭕️ 「マネーブリッジ」とほぼ同等の「auマネーコネクト」がある
両行のサービスは、以前記事にしております。詳しくはそちらをぜひ。

両行をざっくり比較すると、このような感じになります。
手数料の無料回数で比較
仮に100万円預け入れた場合、
auじぶん銀行では、「じぶんプラス ステージ4」となり、振り込み手数料の無料回数は「8回」です。
一方楽天銀行は「ハッピープログラム VIP」となり、振り込み手数料の無料回数は「5回」です。
このように、同じ預入金額なら、楽天銀行よりauじぶん銀行の方が、手数料無料回数が多い、という状況です。
ATMの利用に関して比較
また、楽天銀行では「ATMの入金額3万円未満で手数料が発生」というのも地味なデメリット。
auじぶん銀行の場合、「じぶんプラス2(残高10万円)以上」ならば、ATM入金手数料は無料です。
- 定期預金の金利が高め
- 証券口座との連携で普通預金の金利優遇(auマネーコネクト)
があるなど、auじぶん銀行は楽天銀行と同等以上のサービスといえます。
auカブコム証券 vs 楽天証券
かつては正直残念な印象があった「auカブコム証券」ですが、着実な改善により「楽天証券」よりもオススメできる証券会社になりました。
詳しくは以下の比較記事をぜひ。

- ⭕️ Pontaポイントで投資信託が購入できる
- ⭕️ au PAY カードで投資信託の積み立て可能(2022/3/28より)
- ❌ Webサイトが使いにくい(ガラケー時代のような見た目)
- ❌ 公式アプリは、ほぼWebサイトを表示させるだけ
auカブコム証券の残念な点
auカブコム証券でイマイチなのは「サイトやアプリの使いにくさ」です。
公式では「9つ」ものアプリがリリースされているのに、「欲しい機能がない」という悲しい状況です。
こんなにアプリがたくさんあるのに「資産残高」を簡単に確認できるアプリがひとつもありませんでした。なぜに…。
楽天証券のアプリ「iSPEED」の出来が良いだけに、いっそうauカブコム証券のイマイチさが際立ってしまいます。

auカブコム証券には「サクサク」で「わかりやすい」アプリをぜひともラインナップして欲しいところです。
au PAY マーケット vs ◎楽天市場
au経済圏で「惜しい」と思わざるを得ないのが「au PAY マーケット」です。現状「楽天市場」の方がお得で便利なケースが多いです。
ちょっと厳しい商品ラインナップ
「楽天市場」「au PAY マーケット」それぞれで、同じ検索語を入れてどのくらいの数がヒットするか比べました。
今回は「ガジェット」「日用品」「食料品」「ふるさと納税」で比較しました。
検索語/ヒット数 | 楽天市場 | au PAY マーケット |
Anker PowerCore Fusion 10000 | 36 | 8 |
パンパース さらさらケア パンツ L | 309 | 47 |
コカ・コーラ い・ろ・は・す | 4,430 | 1,475 |
ふるさと納税 | 258,686 | 76,761 (au PAYふるさと納税) |



どのカテゴリーで見ても、「楽天市場」の方が検索ヒット数が多くなりました。
商品ラインナップは「検索数」だけでなく実感としてもあります。正直「au PAY マーケット」には「欲しいものが見つからないという経験がよくあります。
ポイントアッププログラムはほぼ互角
自社のサービスを利用するほどポイント付与率がアップする「ポイントアッププログラム」。
楽天市場は「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」、au PAYマーケットは「買い得メンバーズ」という内容になっています。比較的近いサービスの項目をピックアップしてみました。
サービス | 楽天市場 SPU | au PAYマーケット 買い得メンバーズ |
通常ポイント | 1% | 1% |
クレジットカード | 楽天カード +2% | au PAY カード +1.5% |
ブックストア | 楽天Kobo (1,000円以上) +0.5% | 電子書籍購入 (1,000円以上) +1% |
美容 | 楽天ビューティ (3,000円以上) +0.5% | 美容などサービス (3,000円以上) +1% |
内容もポイント付与率も、楽天市場とau PAYマーケットで大きな差はない印象です。
お得度がそれほど変わらないなら、品揃えが豊富な楽天市場でいいかな、ってなってしまいますよね。
使いにくすぎる「au PAYマーケット限定ポイント」
楽天市場・au PAYマーケットともに、ポイントアッププログラムで付与されるポイントには「期間限定ポイント」が含まれます。
さらにau PAYマーケットでは「au PAYマーケット限定ポイント」も含まれます。
楽天ポイント・期間限定ポイント
- 「期間」に制限がある。
- 「用途」も制限はあるが、楽天市場・楽天ペイ・楽天モバイルなど、用途はさまざま。
au PAYマーケット限定ポイント
- 「期間」に制限がある。
- au PAYマーケットでしか使用できない。
「au PAYマーケット限定ポイント」が実に使いにくいです。おまけにau PAYマーケット自体に品揃え問題があるので、使いにくさに拍車をかけています。
強すぎる「楽天ふるさと納税」
ふるさと納税では「数万円」の寄付をすること珍しくないので、より多くのポイントが獲得できるチャンスです。
「楽天ふるさと納税」の大きなメリットは、「寄付額もSPU対象」「ふるさと納税も楽天市場ショップ買い回り対象」という点。楽天市場を利用すればするほど、ふるさと納税でのポイント還元が大きくなるわけです。
ところが、「au PAYふるさと納税」はau PAYマーケットで買い物をしてもポイントアップするような仕組みはありません。
現状「ふるさと納税」するなら楽天市場がオススメです。
「惜しい」au PAYマーケット
「ポイントアッププログラム」など、楽天市場と同等に頑張っている部分もある「au PAYマーケット」。
しかし、リピーターを増やしたいための「au PAYマーケット限定ポイント」が、かえって「ポイントの使いにくさ」を招き、結局「楽天経済圏の方が便利」になっている印象もあります。
Pontaを中心とした「経済圏」を広げるためにも、ぜひau PAY マーケットには頑張って欲しいところです。
au PAY vs 楽天ペイ
大手携帯キャリアの中では最後発。
「とにかく必死」なのが、決済サービス「au PAY」です。
- ⭕️ 頻繁にキャンペーンあり
- ⭕️ au PAY カードと併用で、最大1.5%還元
- ❌ 楽天カードと併用しても、最大1.5%還元
キャンペーンは豊富なんですが、もうすでに世間は「キャッシュレス祭りの後」状態で、あまり話題にされることもありません。
また、au PAY 残高へは、au PAY カード以外のクレジットカードでもチャージできます。
極端な話、楽天カードでもチャージできるので、せっかくの経済圏に「穴が空いている」状況です。
その他au PAYについて詳しくは、過去に記事を書いておりますので、そちらもぜひ。

まとめ:今後の発展に期待も「囲い込み」と「穴」が気になる「au経済圏」
auじぶん銀行など、個々のサービスではメリットが大きい「au経済圏」ですが、au PAY マーケットの「囲い込みすぎ」や、au PAY アプリの「穴 (auのクレカ以外でチャージできる)」は気になってしまいます。
現状、「楽天経済圏」の方が「経済圏」としての完成度、楽天のサービス内でポイントを軸に連携する、という形は一日の長があります。
今後の「au経済圏」の発展に期待したいところですが、人にオススメするなら現状でも「楽天経済圏」ですね。
