docomo・au・SoftBankの各社から、「5G ホームルーター」が発売されています。
新生活や引っ越しなどで新たにインターネット環境を整備したい方にとって、「工事不要」「配線がシンプル」「すぐ使える」というホームルーターは、有力な選択肢になってくるのではないでしょうか。
私は、docomoの5Gホームルーター「home 5G」を実際に契約して使用してみました。
結論:「上り速度」「5Gエリア」点では、光回線が一番です。「光回線がNG」という場合はホームルーターを考える余地はありそうです。
今回は「home 5G」の使い心地をレビューしていきます。
「ホームルーター」とは
家に置いて使うポケットWi-Fiのような装置です。携帯電話の電波を使用して通信します。
「ポケットWi-Fi」との違いは、サイズが大きい代わりに、電波の安定性を重視していることで、家庭用のインターネット回線として使われます。
ホームルーターは、配線や工事が不要で、設置すればすぐにネットが使える便利な機器です。また、お子さんが配線をいたずらする心配もないので、ファミリー向けにもおすすめです。
ただし、各社のホームルーターとも、登録した住所でしか使えないことには注意が必要です。
各社のホームルーター、価格とスペックを比較
docomo home 5G HR01 | docomo home 5G HR02 | au Speed Wi-Fi HOME 5G L11 | SoftBank Air ターミナル5 | |
本体価格 | 39,600円 | 71,280円 | 39,600円 | 71,280円 |
月額料金 | 4,950円 | 4,950円 | 5,170円 | 5,368円 |
無線LAN規格 | WiFi 4/5/6 | WiFi 4/5/6 | WiFi 4/5/6 | WiFi 4/5/6 |
月間データ 容量 | 無制限(?) | 無制限(?) | 30GB* | 無制限(?) |
対応 ネットワーク | docomo 5G / 4G (LTE) | docomo 5G / 4G (LTE) | au 5G/ 4G LTE WiMAX 2+ (2.5GHz) | n77 (3.4GHz、3.7GHz) AXGP (2.5GHz) TDD-LTE (3.5GHz) FDD-LTE (2.1GHz) |
最大通信速度 | 下り 4.2Gbps 上り 218Mbps | 下り 4.2Gbps 上り 218Mbps | 下り 2.7Gbps 上り 183Mbps | 下り 2.1Gbps |
月額利用料金・本体価格
月額利用料金はdocomoの4,950円が最安です。au・SoftBankは5,000円を超えてきます。
本体価格を見ると、docomoの旧機種HR01がお買い得です。新機種HR02でも最大通信速度などに変わりはないので、お求めやすい旧機種HR01が狙い目です。
対応ネットワーク
docomoが驚きなのは、「docomoの高品質な5G/4G(LTE)ネットワーク」が使用できる点です。
一方、SoftBank Airは障害物の影響を受けにくいプラチナバンド(700〜900MHz帯)に非対応なため、室内で使用するにもかかわらず「室内で入りにくい電波」を使わざるを得ない機種となっています。
月間データ容量には注意が必要
auでは月間のデータ容量に30GB制限がある一方、docomoとSoftBankは注釈付きで「無制限」としています。両者の注釈を比較してみましょう。
まずはdocomoから。
ネットワークの混雑状況により、通信が遅くなる、または接続しづらくなることがあります。また、当日を含む直近3日間のデータ利用量が特に多いお客さまは、それ以外のお客さまと比べて通信が遅くなることがあります。なお、一定時間内または1接続で大量のデータ通信があった場合、長時間接続した場合、一定時間内に連続で接続した場合は、その通信が中断されることがあります。
NTTドコモホームページ「home 5G」より引用
続いてSoftBankです。
サービス安定提供に伴う速度制限のため、通信速度が低下する場合があります。
ソフトバンクホームページ「SoftBank Air(ソフトバンクエアー) の速度制限などについて」より引用
・ご利用の集中する時間帯(夜間など)は、サービス安定提供に伴う速度制限のため、通信速度が低下する場合があります。
・特定のエリアでネットワークが高負荷となった場合、該当エリアのお客さまについては、サービス安定提供に伴う速度制限のため、通信速度が低下する場合があります。
どちらの場合も「どうとでもとれる」表現なので、大量のデータを送受信する場合には注意が必要でしょう。
「オンラインゲーム」「高画質動画」を存分に楽しみたい場合は、まだまだ光回線の方が良さそうです。
また、意外と注意したいのが「OSのアップデート」。それほどインターネットをヘビーに使わない、と言う方も、ほぼ必ず行う操作ですが、これが数GBのデータ受信が必要になることも。
普段のデータ通信量が把握できる方でないと、使いこなしは難しいかもしれません。
home 5GとHR01の実際の使用感
docomo・au・SoftBankのサービスを比較した結果、「月額使用量」「本体代金」「対応ネットワーク」に優れたdocomo「home 5G (機種はHR01)」を契約しました。
契約の流れ
今回「home 5G」はヤマダ電機で契約しました。2023年3月は「本体代金が一括0円のキャンペーン」が実施されており、お得に本体を購入できました。
最近は、携帯端末をネットで買うことが定番になっていましたが、私は8年ぶりに店舗で端末を購入しました。
重要事項の説明が動画になっており、店舗の契約も変わったなあ、という印象がありました。
home 5Gプラン契約の注意点
「home 5Gプラン」を契約するには、「home 5Gプラン専用のdアカウント」を作成する必要があります。既にdアカウントをお持ちの方でも、別途新しく作成する必要があります。
ただし、「home 5Gプラン専用のdアカウント」作成には、電話番号の紐付けが必要です。既存のdアカウントに紐づけられた電話番号は使用できませんので、注意が必要です。
電話番号が一つしかない場合は、サブ回線の電話番号を利用するか、別の方法で電話番号を取得する必要があります。
また、月の途中に契約しても、その月は1ヶ月分の料金が請求される(日割りされない)ので、その点も注意してください。
実際の使用感は「上りがキツイ」
HR01は、ルーターとしてはシンプルな機能に絞った機種になっています。
マルチSSIDは可能ですが、5GHz・2.4GHz合わせて二つのSSIDになります。
私が試した場所は4G(LTE)エリア (5Gエリア外)でしたが、通信は比較的安定していた印象です。
しかし、通信速度は正直不満が残りました。下りは平均25Mbps程度で安定しているものの、上りは平均6Mbps程度。Web会議にはギリギリかなあ、という通信速度でした。
合計5回ほど日時を変えて測定しましたが、速度はだいたいこの値で落ち着いていました。
オンラインゲームをする方や、Web会議の画質を気にする方は、不満が残るかもしれません。
「楽天モバイルSIM」で利用するのもアリ
HR01はSIMフリー端末のため、非公式ながら楽天モバイルのSIMで利用できることも確認されています。
楽天モバイルは上りの速度が速い、といったネットの声もあり、docomo回線に不満がある場合は楽天モバイルの回線で利用するのも、大いにアリですね。
ホームルーターは魅力的だが、少し様子を見たいサービス
今回docomo 「home 5G」を試してみましたが、正直通信速度には不満が残りました。今後利用するにしても、5Gエリアが自分の周りでも十分広がってからだなあ、という印象です。
安定して大量のデータ通信を楽しみたい場合には、現状では光回線が一番適していると思います。私は現在、ビッグローブ光を利用していますが、比較的安定しているので不満はありません。
光回線が利用できるなら、まずは光回線を検討することをおすすめします。