理系のみなさんにおなじみ「キムワイプ」。
ティッシュのような毛羽立ちが少なく、繊維クズが出にくい。個人で利用している方もいらっしゃるようですね。

10数年来、顕微鏡を使ってきた私。レンズを拭くのには「キムワイプ」を使用していました。
しかし最近、某顕微鏡メーカーさんのお話を聞く機会がありました。そこで「レンズにキムワイプはあまりよろしくない。使うならシルボン紙です」というお話をいただきました。
レンズのお手入れに「キムワイプ」でゴシゴシしていた方も、参考になる記事になっています。
キムワイプがレンズ掃除に不向きなワケ
某顕微鏡メーカーの方によると
- キムワイプは繊維がかたく、レンズを傷つけてしまう恐れがある
- キムワイプは出にくいとはいえ、繊維クズが少し出る
という理由から、キムワイプをレンズ掃除にはオススメしていませんでした。
キムワイプの製造元である「日本製紙クレシア」さんのHPでも、
光学レンズの研磨技師が布の代わりに理美容向けの正方形の紙を使用しているという話を耳にします。1942年、この話を元に開発されたのが「キムワイプ」です。
「日本製紙クレシア」HP
という記載があり、「表面をこすって磨く」ような用途で開発された経緯があります。「傷をつけないように、汚れを拭き取る」用途ではなさそうですね。
某顕微鏡メーカーさんが勧めるレンズの掃除方法
某顕微鏡メーカーさんから、レンズ掃除に勧められたのはNikonの「シルボン紙」。
紙と名前がついてはいますが、レーヨンの糸をシート状にした非常に柔らかい布、と言ったところです。
その某メーカーさんはNikonでは無かったんですが、「他社ですが、正直Nikonさんのがオススメ」とのことでした。
レンズクリーナーは、かつてオリンパスから販売されていた「ハイパークリーン」を勧められました。なお、現在は販売会社が変わっています。
レンズクリーナーの代わりに無水エタノールを使う方もいるようですが、某顕微鏡メーカーさん的には「表面のコーティングが剥がれてしまう恐れがあるから、あまり推奨しない」とのことでした。
大手カメラメーカー各社が推奨するレンズの掃除用具
大手カメラメーカー各社のHPで、レンズの掃除に推奨している用具は、以下のようになっています。
洗って繰り返し使える「化学繊維タイプ」の方が一見オトクなのですが、クロスにゴミが残っていてレンズに傷がついたら、どうしようもありません。

個人的には、使い捨てのシルボン紙を使用することを、オススメしたいです。
一度お使いのレンズのメーカーに、レンズのメンテナンス方法を再確認して、少しでも長くレンズを使えるようにしていただきたいです。