注)この記事は「東京電力管内」のケースを想定しています。
UQ mobileは、「自宅セット割(でんきコース)」を提供しています。メチャクチャ魅力的な割引だったのですが、昨今の電気料金高騰により見直す必要が出てきました。
- UQ mobileユーザーも「東京電力(従量電灯B)」の契約が基本的にはオトク
- UQ mobileを5~10回線くらい契約しているなら、「自宅セット割」(でんきコース)を活用する余地はあり
- 東京電力が申請した「電気代3割値上げ」もいったん様子見が吉
今回は、UQ mobileユーザーの我が家をモデルケースにして「auでんき(UQでんき)」「楽天でんき」「東京電力」「CDエナジー」を徹底比較しました。
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衝撃「東電の電気代3割値上げ」
昨今「電気代が高いなあ」とお感じの方も多いと思いますが、東京電力の値上げ申請の記事が大きな話題となっています。
東京電力、家庭料金3割値上げ申請 燃料高で大手6社目(2023.1.23 日本経済新聞)
まずは電気料金の基本から、落ち着いてみていこうと思います。
電気料金の基本
電気料金は4つで構成
電気代を毎月チェックされている方も、中身まで詳しく確認されている方は少ないかもしれません。実は大きく4つの中身があります。
- 基本料金
- 電力量料金
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金
- 燃料費調整額
このうち「2」〜「4」については「使った分だけ増える」料金です。
特に昨今注目されているのが「4 燃料費調整額」です。燃料価格に応じて「燃料費調整単価」が変動する仕組みになっています。
上昇し続ける燃料費調整単価
昨今の燃料価格高騰で、この「燃料費調整単価」が上昇し続けています。昨年同月と、具体的な値を比較してみました。
(円/kWh) | 2022年1月 | 2023年1月 |
auでんき | -0.54 | 13.00 |
東京電力EP 従量電灯B | -0.53 | 5.13 |
東京電力EP スタンダードS | -0.53 | 12.99 |
昨年段階ではマイナス、つまり燃料費が安いので電気料金を下げる調整がされていました。ところが、昨今の燃料価格上昇を受けて単価は上昇し続けています。
東京電力は料金を2つ掲載していますが、「従量電灯B」は従来からあるプラン、「スタンダードS」は電力自由化(2016年4月)以降につくられたプランです。
東電の電気代3割値上げの影響はどう出る
デメリットが目立ってしまった「スタンダードS」プラン
登場当初は「高いポイント還元」が売り文句であったのがスタンダードSプランです。
しかし、当初はあまり注目されなかった「スタンダードSプランは燃料調整額に上限がない」という点が、昨今の燃料価格上昇で余計に注目されてしまいました。
一方、従来プランである「従量電灯B」は燃料調整額に上限があり、現在は上限である5.13円/kWhにはりついた状態です。
auでんきも、東京電力EP「スタンダードS」と同様燃料調整額に上限はありません。2022年9月・10月はなんとか「従量電灯B」と同等の価格となるよう燃料調整額を抑えていたものの、燃料高には勝てず上昇を続けている状況です。
値上げ前後の料金比較
「東電の電気代3割値上げ」の中身ですが、燃料調整単価の上昇で上昇で差がひらいてしまった「従量電灯B」と「スタンダードS」の価格差を埋める、というのが主な目的になります。
電気料金は4つの構造になっているので計算は意外と複雑。そこで実際に我が家の1月の電気使用量(30A・485kWh)のデータを使って、値上げ前後の料金をシミュレーションしてみました。燃料調整単価は2023年1月のもの(12.99円/kWh)を使用しました。
値上げ前 | 値上げ後 | |
従量電灯B | 17,827 円 | 22,594 円 |
スタンダードS | 21,635 円 | 22,594 円 |
auでんき | 21,392 円 | – |
値上げ後の価格が「従量電灯B」「スタンダードS」どちらもほぼ同等になっています。それにしても従量電灯Bの値上げインパクトは大きいですね。
「従量電灯B」の値上げが話題になっていますが、実は「スタンダードS」も値上げされます。auでんきは現状値上げの発表はありません。しかし、東京電力EPの値上げが確定すれば、auでんきも値上げは避けられない情勢です。
私が「従量電灯B」を選んだわけ
従量電灯Bのカギは「今後の燃料費調整単価」
「スタンダードS」と同等の料金水準へ値上げされる「従量電灯B」ですが、まだ選ぶメリットはあります。カギをにぎるのは「今後の燃料費調整単価」です。
2021年4月以降の燃料費調整単価について、「auでんき」「東京電力EP 従量電灯B」「東京電力EP スタンダードS」で比較してみました。

グラフにしてみると一目瞭然ですが、燃料費調整単価は猛烈な勢いで増え続けており、今のところ減る兆候は見られません。
そのままグラフを延長していくと、私は2023年6月には燃料費調整単価は22円/kWh行くのではないか、と予想しています。この場合の料金を計算してみました。
12.99円 /kWh | 22円 /kWh | 5.13円 /kWh | |
従量電灯B | 22,594 円 | 22,594 円 | 22,594 円 |
スタンダードS | 22,594 円 | 26,964 円 | 18,782 円 |
奇跡的に燃料価格が下がって燃料費調整単価が下がれば、スタンダードSプランの方が安くなります。しかし、燃料費調整単価が上昇を続ければ、結局はスタンダードSプランの方が高くなってしまいます。
私は、燃料費調整単価は上昇を続けると見込み、スタンダードSプラン(およびそれに追随するauでんき)は選ばず、当面は従量電灯Bを選ぶことにしました。
「自宅セット割」のメリットは限定的
「従量電灯B」「スタンダードS」の価格差は、我が家のケースでは「最大4,000円程度」出てしまいます。
「スタンダードS」の料金に「auでんき」がほぼ追随すると考えると、「自宅セット割 638円割引」のメリットは小さくなってしまいます。
UQ mobileの回線を5~10ほど持っている場合は、ポイント還元も併せれば自宅セット割の方がメリットがありますが、極めて限定的なケースと言えるでしょう。
最大のリスクは「従量電灯B」の廃止。楽天でんき、CDエナジーの乗り換えは?
東京電力EPの「従量電灯B」「スタンダードS」を比較すると、燃料費調整単価が上がり続ける限り、「従量電灯B」の方がオトクになりますが、それはつまり東京電力が損失を出し続けることになります。
そうすると、「従量電灯B」プランを廃止して「スタンダードS」プランへ強制移行することも、東京電力としては選択肢に入ってくる可能性があります。
そこで、「楽天でんき(2023年1月現在新規受付は停止中)」「CDエナジー」といった電力会社の料金も比較してみました。条件は上に出した(30A・485kWh)のデータです。
30A 485kWh | |
東京電力EP 従量電灯B | 17,827 円 |
東京電力EP スタンダードS | 21,635 円 |
auでんき | 21,392 円 |
楽天でんき | 22,955 円 |
CDエナジー ベーシックでんき | 20,615 円 |
「従量電灯B」が仮に廃止された場合、候補に入ってくるのは「CDエナジー ベーシックでんき」です。今後の料金推移を見ながら、検討していきたいです。
また燃料高の現在、よっぽどの楽天経済圏ヘビーユーザーでない限り、楽天でんきを選ぶ料金的なメリットはほとんどない状況です。楽天でんきユーザーは、一度電力会社を見直してみてはいかがでしょうか。
UQ mobileユーザー注目の「自宅セット割」と注意点
UQ mobileの「自宅セット割」には「インターネットコース」「でんきコース」の2つが用意されています。どちらも割引額は同じです。
最安のパターンなら、「くりこしプランSが 990円」で利用できるという、非常にお得なプランです。
注意したい「インターネットコース」
「インターネットコース」は、「auひかり」や「au ホームルーター 5G」などと一緒にUQ mobileを利用することになります。
注意点1:「くりこしプラン +5Gへの加入」が必須
インターネットコースは「4G契約プラン」では適用されないので注意が必要です。
2021年9月2日から提供されている「+5G」プランですが、「旧くりこしプラン」のユーザーから見ると「バースト通信」できないなど、5G通信以外のメリットは大きくありません。

4G契約プランの方は、十分注意してから変更するようにしてください。
注意点2:固定回線の「縛り」
今でこそ、携帯電話の「2年縛り」はかなり緩くなり、「縛りなし」プランも多くなりました。
一方で、固定回線はまだまだ「2年縛り」が存在します。プロバイダによっては「3年縛り」もあります。ご自身の契約プランをよく確認するようにしてください。
注意点3:「ひかり電話」が必須
料金プランを「+5G」に変更し、プロバイダも対象の業者に変更した。実はコレだけでは「自宅セット割」は適用されません。
「自宅のインターネット+電話」を契約する必要があります。いわゆる「ひかり電話」が必須です。今の連絡のメインが携帯電話の場合、ひかり電話はあまり必要性を感じないかもしれません。私も契約していないです。
手っ取り早く「セット割」を適用したいなら、「インターネットコース」よりも「でんきコース」がオススメです。
UQ mobileユーザーも「auでんき」を申込可能に
かつてUQ mobileユーザー向けには、「UQでんき」という専用のサービスが提供されていました。私が契約したのも「UQでんき」です。
しかし、2021/9/2よりUQ mobileユーザーも「auでんき」に申し込めるようになりました。
また、2021/11/16をもって、UQでんきは新規受付を終了しました。UQでんきの既存ユーザーは、継続してサービスが提供されます。
今後UQ mobileユーザーが「セット割」の恩恵を得るには「auでんき」へ加入することになります。料金体系・ポイント還元は「auでんき」「UQでんき」で同じです。
また「UQでんき」ユーザーの私の疑問点を、UQサポートセンターに問い合わせてみました
疑問1:UQでんき契約のまま、UQ → au /povoへ乗り換えた場合の扱い
auへ乗り換えた場合は、UQでんきの契約を継続でき、Pontaポイント還元も受けられる、との返答でした。
povoについては「申し訳ございませんがご回答できません」とのことでした。あくまでもpovoについては「オンラインサポート専用」のようです。
疑問2:UQでんき→auでんきへの切り替えは?
これは「可能」との返答でした。
また、UQでんきで自宅セット割が適用されている場合、auでんきへ切り替えても自宅セット割は継続して適用される、とのことでした。
UQでんきから東京電力へ変更してみた
UQでんきから東京電力へ乗り換えるには、「東京電力のカスターマーセンター」へ電話する必要があります。
必要なのは、「UQでんき」に関する
- 契約名義人
- UQでんきのお客様番号
- 供給地点特定番号
- 電力の供給を受ける住所
コレらの情報が必要になります。
なお「東京電力のカスターマーセンター」へ連絡すれば開通手続きまで完了し、UQでんきへ解約の連絡を特にする必要はありません。
東京電力を契約する際には「燃料費調整単価」に上限がある「従量電灯B」プランを契約しました。新しいプランである「スタンダードプラン」には燃料費調整単価の上限がありませんので、こちらを選ばないように注意してください。
【おまけ】実際に東京電力管内で「CDエナジー」から「UQでんき」に乗り換えた顛末
私の利用している電力会社は
- 東京電力
- 中部電力
- CDエナジー
- UQでんき
- 再度、東京電力
と変遷しています。
この中でも特に難儀だったのが「CDエナジー(新電力)」→「UQでんき(新電力)」への乗り換えでした。
結論としては「UQ mobileへ電話して手続き」して解決しました。
「my UQ mobile」からUQでんきの手続き可能なはずが…
UQでんきの加入手続きは、UQ mobileユーザーの場合「my UQ mobile」から行います。
ところが、ここでハードルが。
- 「東京電力のお客様番号(13桁の数字)」
- 「供給地点特定番号(22桁、各電力会社共通)」
この2つを入力する必要があるんですが、我が家は「CDエナジー」と契約しているため「東京電力のお客様番号」はありません。
手元にあるのは、
- 「CDエナジーの契約者番号(9桁の数字)」
- 「供給地点特定番号」
のみ。
試しに「東京電力のお客様番号」の欄に「CDエナジーの契約者番号」を入力してみますが、エラーで先に進めず。
すっかり困ってしまい、サポートセンターへ連絡することにしました。
KDDIお客さまセンター(でんき)へ連絡するも…
初めに、UQでんきのホームページに記載されている「KDDIお客さまセンター(でんき)」へ連絡しました。
ところが、『こちらは「でんきを契約した人が、引っ越しや変更の手続き」を行う電話番号です』とのお答え。UQ mobileの相談窓口を案内されます。
何も解決しなかった、1回目のUQ mobile
続いて、UQ mobileの相談窓口へ連絡してみましたが、「13桁のお客様番号がないと、手続きが進められない」とのお答え。
「CDエナジーさんならわかるかも」ということで、連絡してみました。
ボールを投げられても困る、CDエナジー
CDエナジーさんでも「13桁のお客様番号はわからない」という回答でした。
「東京電力さんならわかるかも」ということで、連絡してみました。
やはり非常に詳しい「東京電力」
コレから契約したいのは「UQでんき」なのに、東京電力さんにはとんだとばっちりです。が、これ以上相談する先もないので、連絡してみました。
東京電力はさすが大本の電力会社で、窓口の方も非常に知識が豊富でした。
- CDエナジーの以前に契約していた東京電力の「お客様番号」は失効しているため、UQでんきの申し込みには使えない可能性が高い
- 「どうしても13桁のお客様番号」が必要な場合は、一度CDエナジーから東京電力へ乗り換え、東京電力からUQでんきに乗り換える方法もある。
- 手続き上は、「CDエナジーの契約情報」がわかればUQでんきに乗り換えられるので、UQでんきに聞いてみてはどうか
こちらの状況を踏まえた上で、非常に適切な情報をいただきました。そして、再度「UQ mobile」へ連絡しました。
最終的にはUQ mobileで対応してもらえた
再度UQ mobileの相談窓口へ連絡しましたが、今回はCDエナジーと東京電力へ連絡した顛末も説明しました。
するとここで、「電力申し込み担当」の方を案内されました。
こちらの担当の方は、
- 「CDエナジーの契約者番号(9桁の数字)」
- 「供給地点特定番号」
この2つを伝えると、サクサクと手続きをしてくれました。「いや、最初から電力申し込み担当の方が登場してよ…」という思いが無いわけでもなかったですが、無事に契約できました。
新電力から新電力への乗り換えは、なかなか大変でした。
セット割には注意が必要も、通信会社としてはオススメしたいUQ mobile
今回はUQ mobileユーザーは要チェックの「でんき」「自宅セット割」に関するお話でした。
電気サービスは人によってオススメに差はあるものの、通信会社としてのUQ mobileはどなたにもオススメです。
月額1,628円から高品質な回線を利用できる、非常に魅力的なキャリアですので、ぜひ一度公式HPを見てみてください。
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UQ mobileが初めての方へ、メリットを紹介する記事も書いております。ぜひ、そちらもご覧ください。
