家にあるリモコンを登録することで、スマホやスマートスピーカーから家電を操作できるようになる。それが「スマートリモコン」です。「アレクサ、テレビつけて」と音声操作するとテレビがつく、といったものです。
以前から興味はあったのですが、セールになっていたことを利用して入門機のスマートリモコンである「Nature Remo mini」を導入してみました。
家の中でも忙しい子育て家族にはありがたい製品だと思う反面、結構クセがあるとも感じました。その辺りをレビューしていきますので、検討の参考にしてください。
「SwitchBot Hub mini」vs「Nature Remo mini」
スマートリモコンの中でよく比較されるのが「SwitchBot」ですね。私の購入した「Nature Remo mini」は機能を絞ったエントリーモデル。同等のSwitchBot製品としては「SwitchBot Hub mini」があります。

AlexaやSiriと連携できること、micro USBで給電など、基本的な仕様はほぼ同じです。違いとしては、以下のようなところです。
SwitchBot Hub mini | Nature Remo mini | |
中国・深圳 | 日本で創業 | |
温度センサー | なし | あり |
価格 (Amazon) | 3,980円 (税込) | 4,980円 (税込) |
どこの国の企業かは製品の品質とはあまり関係ないのですが、Natureの方がアプリやサイトの日本語がより自然な印象でした。
ネット上のレビューでは「SwitchBot」の方が多く、性能も安定している印象でした。温湿度計など周辺機器も充実しており、本格的なスマートホーム環境を構築したい場合は「SwitchBot」の方がいいかもしれません。
最近、色々家電に不具合があり、外国メーカーのサポートのお世話になった事がありますが、スパッと交換品を送ってくれたりと、私としては非常に好感が持てました。
私が「Nature Remo mini」を選んだ理由は、家が狭いので「周辺機器を増やす予定がない」ことと、家族も使うので「日本語対応への期待」という点です。
パッケージ内容
箱を開封してみます。

カラー写真のパッケージに無漂白のダンポールという構造は、Ankerを意識したような感じに見えます。

内容物は、本体、給電用のmicro USBケーブル、取扱説明書です。最近はペラペラの取扱説明書が多いですが、Nature Remo miniの取扱説明書は日本語でしっかりと内容が書かれおり、家電製品に慣れていない方にも良いです。
また、USB Type-Aの電源アダプタは自分で用意する必要があります。私は古いiPhoneの電源アダプタを流用しましたが、Nature Remo miniは製品の特性上電源へ繋ぎっぱなしになります。スマホと電源アダプタを共用するのはイマイチなので、あらかじめ用意しておくと良いです。
つまづいたアプリ設定
しっかりとした説明書がありますが、基本的な設定はアプリ上で行います。
SwitchBotはアプリ上の設定がうまくいかない事がある、という事でしたが、私はNature Remoのアカウント作成がうまくいかない事がありました。何度かアカウント作成をリトライしたら成功しましたが、正直この辺りはSwitchBotとNature Remoで大差ないのかもしれません。
Nature Remoはサーバーのトラブルが度々報告されています。もしかしたら、サーバー周りはあまり強化されていないのかな、という印象を受けました。
Nature Remo miniとAmazon Echo Dotの連携
Echo Dotとの連携は、Nature Remoのアプリの指示に従っていけば、比較的簡単にできました。
この際注意したいのが、Alexaへは「Nature Remo mini」自体ではなく、個々の家電(「テレビ」や「照明」など)が認識される、という事です。
私はずっとAlexaへ「Nature Remo」がデバイスとして認識されない、と困っていたのですが、試しにテレビを一台Nature Remo miniへ登録してみたところ、すんなりAlexaへも連携されました。
Alexaスキルは2種類がリリースされていますが「Nature Remo」というスキルを利用します。もう一つの「Nature Remo Custom」は廃止予定となっていますが、流石にややこしいので、どうにかして欲しいところです。
「スマートじゃない家電」の対応状況
スマートリモコンは、「スマートではない家電」をスマホやスマートスピーカーで操作できる点にあります。我が家にあるリモコン付き家電を登録してみました。
- シャープのテレビ → 自動設定
- 富士通のエアコン → 自動設定(一部不備あり)
- パナソニックの照明 → 自動設定
- Ankerのロボット掃除機 → 登録したボタンのみ
- アイリスオーヤマの加湿器 → 登録したボタンのみ
大手家電メーカーの機種は、どこか一つのボタンを登録するだけで、各種ボタンが自動設定されました。
シャープのテレビの場合は電源ボタンを登録すると、チャンネル変更や音量変更は自動で登録される、と言った具合です。
富士通のエアコンは「自動モード」など、我が家のエアコンには元々ないボタンも追加されました。当然「自動モード」自体がエアコンにないので、ボタンを押してもエアコンは特に反応しません。
パナソニックの照明は一部ボタンが自動設定されませんでしたが、主だった機能のボタンは自動で登録されました。
Ankerのロボット掃除機は「掃除機」であることは認識してくれましたが、登録したボタンしか認識されませんでした。
アイリスオーヤマの加湿器は「加湿器」であることも認識してくれませんでした。登録したボタンは認識してくれました。
ここまでの傾向を見てみると、日本の大手メーカーの家電ならば設定はほぼ自動ですむ、といえそうです。逆に、オシャレ家電や外国の家電で買い揃えている方は、もしかしたら設定に苦労されるかもしれません。
便利な設定にするには「ワザ」が必要
よくテレビなどでみるスマートホームというと、「アレクサ、おはよう」と声をかけると、カーテンがさっと開いて照明がついて、みたいな感じですよね。こういった操作を実現するには、複数の操作を組み合わせる必要があります。
その際に必要になってくる知識が、簡単な「プログラミング」や「アルゴリズム」の知識。とはいってもコードを書ける必要は全然ありません。「何か」をきっかけにして、「ある動作」をする、というのを論理的に組み立てていきます。パズルのようなものですね。
しかし、この辺りになってくると、急激にハードルが上がってくる気がしています。操作を組み合わせれば何でもできる反面、「何をどう設定していいかわからない」という状況に陥るからです。
と、いうわけで「使い道や設定方法がわかれば便利」ではありますが、「何となく買ってみる」と後悔しかねないのがスマートリモコンかもしれません。私は便利に使っていますが、購入の参考にしてください。
